2005.03.11

あなたは虚人と星に舞う

上遠野浩平のナイトウォッチシリーズ三冊目。

前二作でも一貫して感じていた孤独感を、本作ではより強く感じます。基本的に絶望的な世界設定に違いはありませんが、主人公であるキョウが本質的にたった一人で、仮想世界に住むそれ以外の住人が全て擬似人格だったからでしょうか。

最後に手を組むことになるその相手に、だからボクは救われる思いがするのです。

ところで挿絵を描いてる人は絶対、キョウ=小泉今日子って連想してますよね。全盛期の。

| | Comments (0)

2005.03.07

人形館の殺人

綾辻行人の館シリーズ四作目。

読み始めて最初に感じた印象は、これは館シリーズより囁きシリーズとして書かれたのではないか、というものです。読了後の現在もこの印象は変わりません。実際、あとがきを読むと作者としても本作は前三作とはまるで違う物を意図して執筆していたようです。

結末は序盤から見えてはいましたが、本シリーズのメインキャストである島田潔の大胆な使い方には驚かされました。先日最新刊が出たことですし、本シリーズはまだまだ楽しめそうです。

| | Comments (0)

2005.01.19

禁涙境事件

上遠野浩平の事件シリーズ(?)四作目。推理小説の文法をファンタジー世界に持ち込むという、大変都合のよい設定が同氏の作風にはとても合っていてしっくりきます。

仮面の戦地調停士EDが仮面をつけるに至った経緯等が描かれていて、本シリーズではかなり重要な局面を迎えた気はするのですが、そんな大事よりも怪人"残酷号"の描写がぶっとんでいて印象深いです。このパートを読んでいる間中、頭の中ではULTRAMANが暴れまわっていました(いや観てないんですけど)。

最初からバレバレだった真犯人の事なんかもうどうでもいいです('Д')

| | Comments (0)

2004.10.28

人間の条件

森村誠一の長編ミステリ文庫落ち。ドラマ人間の証明も終わり、原作を読んでみようと本屋をぶらついていたら並んでいた、という事で購入。

人間関係や性格付けが人間の証明とはかなり違っていて最初は戸惑いました。山路なんかはドラマではただのイヤミで嫌な奴でしたが、憎まれ役を買って出て思い込みに振り回されがちな捜査方針のバランサになっていて、ドラマでの扱いがちょっと可哀相に思えてきました。

ラストであっさり自白するあたり、ドラマ人間の証明の泣き落としに近い肩透かしを感じたんですが、どんなもんですかね。

読み始めてからいろいろ調べて、人間の証明以後棟居刑事のシリーズが数多く発刊されていて、佐藤浩市主演でドラマ化などされている事を知りました。そちらも見てみたい。

| | Comments (0)

2004.10.10

破線のマリス

野沢尚の江戸川乱歩賞受賞作。

テレビ報道局の緻密な描写は、脚本家でもある氏ならではでしょうか。
話のきっかけとなった事件の真犯人は最後まで判明せず、そこで肩透かしをくらった印象も受けますが、たぶん元々この作品の焦点はそこではないのでしょう。

テレビ映像に乗せられた悪意(破線のマリス)というのは、ボクがなんとはなしにマスコミを嫌っている要因でもありますが、こうして改めてきっちりと描写されると複雑なものを感じます。

ところで"灰色の男"と言うとミヒャエル・エンデの「モモ」が思い出されるのですが、本作の執筆にあたって意識はしていたのでしょうか。

| | Comments (0)

2004.09.15

ビートのディシプリン SIDE3

ブギーポップのサイド・ストーリー3巻目。"炎の魔女"霧間凪大活躍なのはうれしい限りですが、合成人間の切断された右腕を平然と持ち歩くのはいかがなものでしょうか。MPLSでも合成人間もない普通の人間なのに。いや普通じゃないけど。

ラウンダバウトはビート君に惚れちゃったのかな。この心境の変化の下で、また朝子と三人で絡む事はあるんでしょうか。

| | Comments (0)

2004.09.14

東京下町殺人暮色

文庫落ちしてたので購入。少年と老人という、宮部みゆきお得意の組み合わせによる長編推理モノ。陰惨な事件を扱っている割に、重くならないのは流石です。構図がわかりやすいのは良いのですが、ハナさんはちょっと鋭すぎやしないでしょうか。

| | Comments (0)

2004.09.03

ソウルドロップの幽体研究

上遠野浩平の新刊。
ブギーポップと同じ世界、同じ時代の物語。ソウルドロップが虚空牙である可能性も匂わせていて、いずれブギーポップと対決するのか、いや世界の敵にはなりそうもないから有り得ないか…などと想像をめぐらすのも楽しいものです。またイマジネーターを出してくるあたり、今後ブギーポップのほうでも彼女がより重要なキャラクターになってくるのでしょうか。

最近の上遠野作品は、(基本荒唐無稽ながらも)論理で語ろうと無理している様なのが少し気になります。ブギーポップ初期の頃は、かっこいいフレーズとシチュエーションを勢いでつなぎ合わせた様な、ハイ・テンションな作風が魅力だったのですが。

| | Comments (0)

2004.08.22

ロッキン・ホース・バレリーナ

大槻ケンヂの新刊。自伝的小説「リンダ・リンダ・ラバーソール」に続くバンドもの。18歳で夏でバカな少年達とマネージャー、そしてゴスロリ少女の物語。

いきなりセックスをガンダムに例えてみたり、オーケンらしい馬鹿な文章もきっちりおさえつつ、メリハリの効いた展開で最後まで読ませてくれます。続刊も考えているようですが、野原と得さん、そして町子たち全員に良い未来が待っていますように。

ところで「くるぐる使い」や「新興宗教オモイデ教」のような話もまた読んでみたいのだけど、もうああいうのは書かないのかなぁ。

| | Comments (0)

2004.08.19

小生物語

乙一の新刊。
と言っても小説ではなく、以前Webサイトに掲載していたネタ日記に加筆修正を加えて書籍にまとめたもの、らしいです。
乙一の日常をベースに「小生」という、乙一のようでそうでない誰かの視点が加えられ、ネタと妄想に満ちた読み物になっていました。文字通りネタ系テキストサイトを読む感覚です。

敢えて書籍にするほどかと言うとちょっと疑問(本人もそう書いている)ですが、それなりに楽しい一冊ではありました。

| | Comments (0)

2004.08.14

かまいたち

宮部みゆきの時代物短編集。
文庫・新書に落ちている宮部みゆきの現代物はあらかた読みつくしていて、残るは時代物のみという状況なのですが、敢えて読まずに避けてきました。時代物よりはそっちのが好き、という理由もありますが、読む本に困った時のストックという考えもあったりします。

今はぼちぼち色々な作家にも手を出しているので、読む本に困ることはまずない状況ですが、手を広げてみると却って読みたくなるものです。次に何を読もうと本屋で物色した挙句、結局これを手に取ってしまいました。

どろどろした小説ばかり続いた後に読む宮部みゆきの優しい文章は、短編の気楽さもあってとても気持ちが良い。全編楽しく読む事が出来ましたが、表題作「かまいたち」は必殺仕事人のような風情がある結末が痛快で、主人公のかわいらしさが印象的です。

蛇足ですが、新吉さんのキャストはオダギリジョーでお願いしたい。

| | Comments (0)

2004.08.11

霧越邸殺人事件

綾辻行人の本格ミステリ長編。
吹雪の山荘という、極めてオーソドックスなスタイルを用いてここまで読ませるのは並大抵の事ではないと思うのですが、これは館シリーズでの積み上げがあればこそ、でしょうか。
綾辻作品としてはページ数が多いほうで、詩歌文学、建築様式など多岐に渡る薀蓄の占める割合が少なくないのですが、この傾向が顕著になると京極堂みたいになるのだなぁと思ったりしました。

あと、名前の符合はちょっと強引な気がします。いいけど。

| | Comments (0)

2004.08.02

眼球綺譚

綾辻行人のホラー短編集。表題作「眼球綺譚」、構成にやや「暗闇の囁き」に近い物を感じますが、材料の組み立て方はこちらのが巧い気がします。短編だからこそ書けたのかもしれませんが、短編なのが惜しいくらい。
「特別料理」には参りました。カバーイラストからこの手の話が収録されているのは予測されていましたが、黒い悪魔入りカレーが出てきたあたりでくじけそうになり、頑張って最後まで読みきってへろへろになりました。こういうのは小林泰三あたりにまかせといて下さい…。

他は可もなく不可もなく。

| | Comments (0)

2004.07.27

深紅

過日、自らの命を断ってしまった野沢尚の著作。
12歳にして父と母、幼い二人の弟を失った一家惨殺事件の被害者の娘と、その加害者の娘をめぐる物語。

野沢尚は、亡くなる以前「破線のマリス」の紹介文を読んでいつか読もうと思っていた作家でした。結局あらすじにひかれて本作を最初に読む事になったのですが、いや、これは凄いですね。
悲劇でも復讐劇でもなく、それぞれが抱えた心の闇と葛藤が丁寧で練りこまれた文章で綴られていて、一気に読み終えてしまいました。

この人の著作がもう増える事はないのだと思うと、とても残念です。

| | Comments (0)

2004.07.22

暗闇の囁き

緋色の囁きが面白かったので、綾辻行人の「囁き」シリーズ二冊目を。
シリーズと言っても「館」以上に個々作の繋がりは低く、共通するのは地文に時折はさまれる「囁き」のみ。前作よりも構造は単純で、大体の仕組みは比較的早い段階でわかってしまいました。

そのせいもあって、ちょっと食い足りない印象。つまらないという事はなく、楽しく最後まで読めはしたのですが。

| | Comments (0)

2004.07.17

緋色の囁き

「館」シリーズは一休み。こちらもシリーズ化(「囁き」シリーズ)しているようだ。
綾辻行人のサイコホラーなほう。フリークスにしてもそうだけれど、下地にはしっかりとしたミステリがあるので、区別したらいけないのかもしれない。

タイトル通りに多用される赤(緋)い映像感に、あからさまにミス・リーディングを誘うモノローグ。だまされねーと思いつつ「正解」に辿り着いたのは本当に最後のあたり。勿論、この手の小説はだまされるからこそ面白いわけですけど。

次は何を読もうかな。

| | Comments (0)

2004.07.15

百器徒然袋 -風-

京極堂最新刊。
榎木津の話三本立て。雲外鏡は週アス連載時に読んでいたので、初見は二本。とは言え一本一本が乙一一冊並の分量があるし、雲外鏡も再読ながら充分楽しめました。

陀羅尼の札に江戸末期と、あの小股潜りの影が見え隠れするのが妙に嬉しい。榎木津の意外?な一面も面白いですね。

| | Comments (0)

2004.07.10

迷路館の殺人

というわけで、綾辻行人の館シリーズ三作目。
作中作で語られる事件と解決に、その外側で語られる最後のどんでん返し。単に館の構造が迷路状であるだけでなく、この本自体の構造が迷宮のように入り組んでいて面白い。作中作中作中作まで階層が掘られてたりして。

| | Comments (0)

2004.07.04

水車館の殺人

綾辻行人のオーソドックスなほう(著者的には、こちらのほうが本分のようだ)。
あとづけながらシリーズものになって、十角館との関連が出てきた。今は次(迷路館)を読んでいる最中だけど、それぞれに大きな趣向を凝らしていて面白い。

| | Comments (0)

2004.06.28

乱読気味

暫く家で静養する事が多かったので乱読気味。

上遠野浩平
「機械仕掛けの蛇奇使い」

ビートのディシプリン同様、ブギーポップの亜種かと思ったら違った。とはいえイマジネーターが出てきたりもして、上遠野作品は全てどこかで繋がっているみたいだ。

宮部みゆき
「ステップファザー・ステップ」
「スナーク狩り」
「長い長い殺人」
「ICO 霧の城」

どれも面白かったけれど、一番印象に残ったのはやはりICO。ゲームのノベライズは数多くあるけれど、著者自身が強烈に望んで生まれた作品はやっぱり愛情のデカさが違うなぁ、と。

綾辻行人
「十角館の殺人」
「フリークス」

前者はオーソドックスなスタイルで、後者はサイコホラー風の体裁を持った推理(?)小説。どちらかというと後者の作風のが好みではあるけれど、どちらも面白く読めました。

| | Comments (0)

2004.04.19

ホラーアンソロジー

RIMG0001.jpg

「悪夢制御装置」。

例によって乙一目当ての購入。瀬川ことびは比較的安定、岡本賢一は普通すぎ、篠田真由美はいくら主人公の妄想にしても痛すぎて苦痛だった。

| | Comments (0)

2004.02.22

豆腐小僧

tofukozo.jpg

「豆腐小僧双六道中 ふりだし」。京極の妖怪小説にしては珍しく、本当に本物の妖怪が出てくる。

妖怪と言われるものは全て何か他の自然現象だったり、誰かのいたずらだったり、ただの偶然だったり、あるいは創作だったりする。だから妖怪などこの世には居ない。だからこそ妖怪は居る。そういうお話でした。

| | Comments (0)

2003.12.09

本三冊

books20031208.jpg

左から、「くつしたをかくせ!」「失はれる物語」「後巷説百物語」。まとめて買うと、ちょっと重い。

「くつしたをかくせ!」は乙一の絵本。絵は「失踪HOLIDAY」「さみしさの周波数」「きみにしか聞こえない CALLING YOU」で挿絵を描いた羽住都が描いている。この組み合わせはとてもいいのだが、話の内容は一読ではよくわからなかった。

「失はれる物語」は乙一短編集。書き下ろしの一本以外は前述の三冊からなので、殆ど既読である事に気付いたのは買ったあとのこと。世の中にはライトノベルだと無条件に読まない人種がいるらしく、そうした人たちにも手に取ってもらえるよう、ハードカヴァーに纏めたとの事だが、普通に読んでる人の為にももう何本か書き下ろしが欲しかったところ。どのみち買っちゃうんだけどさ。

「後巷説百物語」は京極夏彦の短編集。巷説、続巷説の続編ではあるけれど、又市一座の時代から数十年後のお話、らしい。短編と言いつつそれぞれが下手したら乙一一冊分あるんじゃなかろうか。

| | Comments (0)

2003.12.05

真・女神転生GRIMOIRE

grimoire.jpg

真・女神転生シリーズにおける神々、文化、思想や宗教といった事柄について、出典とそのゲーム内での位置づけを解説した読み物。著者は例によって成沢大輔とその一派。文量も手頃で、真・女神転生ファンに留まらずライトな神話オタ向け書籍としてもお勧め出来ます。

Pandaemoniumと併せて読むとまた面白い。

| | Comments (0)

その他のカテゴリー

たべもの | ウェブ全般 | 映画 | | 雑記 | 音楽